目を引いた農業新聞の見出し
ミカンとリンゴは面積最低⁉
ちなみに「大分『志手』散歩」の1年前の投稿は「余話 ミカンとりんご 日本農業新聞より」(2025年6月9日公開)と「ミカンとりんご➁ 志手ミカンの始まりは」(2025年6月14日公開)です。
さて、今回取り上げる記事は日本農業新聞の2026(令和8)年6月7日付のものです(上の写真)。大分県立図書館でコピーしました。
記事の見出しは「リンゴ、ミカン面積最低」「生産基盤弱体化が顕著」です。「最低」「弱体化」「顕著」は言葉の響きが強く、このブログ「大分『志手』散歩」の筆者の目に瞬間的に飛び込んできました。
左がミカンの作物統計調査の結果です。それによると、25年産ミカンの栽培面積は3万5,600ha、結果樹面積は3万3,800haで、ともに前年産比2%の減少となっています。
栽培面積と結果樹面積はどう違うのか。作物統計に注釈があります。
栽培面積とは「複数年にわたって収穫を行うことができる永年性作物を栽培している面積」で、結果樹面積とは「栽培面積のうち生産者が当該年度の果実を収穫するために実をならせた面積」と説明してあります。
ちょっと分かりにくいですが、なんとなく分かります。
例えば幼木を早く大きくするために、花や実が付いても、花実に栄養が取られないように落としてしまうケースです。これは収穫ゼロで栽培面積に入っても結果樹面積には入らないでしょう。
さて、話を戻してリンゴの統計も見てみます。
農業新聞の記事によると、25年産のミカンとリンゴの結果樹面積は、データのある1973年以降で最低だったといいます。
10年前の2015(平成27)年と比べてもミカンは2割、リンゴは1割それぞれ減っており、生産基盤の弱体化に歯止めがかかっていないと新聞は書いています。
結果、25年産リンゴの収穫量は57万7,400トンにとどまり、初の60万トン割れになりました。
記事全体から厳しいトーン(論調)が感じられます。
生産者の高齢化や労働力不足で離農や規模縮小が続いていると記事は書いています。農薬や肥料、農業資材や農業用機械の値上がりも生産者には重い負担になっているでしょう。
その結果「生産基盤の弱体化に歯止めがかからない」と記事は断じています。去年の記事よりも言葉がきつくなった感じがします。
去年の記事でもこのブログの筆者はミカンとリンゴの先行きを案じたのですが、今年の記事をみて一段と心配になりました。
左が昨年6月3日付の日本農業新聞の記事です。これを読んで「余話 ミカンとりんご 日本農業新聞より」を書きました。
「ミカン初の60万トン割れ」の見出しに興味を引かれました。
「60万トン」という数字にどんな意味があるのか、いまひとつ分かりませんでしたが、「割れ」という文字に反応して「何か大変なことかな」と思ったわけです。
それで「余話 ミカンとりんご 日本農業新聞より」では農業新聞に農水省の統計も入れてミカンとリンゴの現状について少し書いてみました。
志手がミカン産地として100年以上の歴史があることは、このブログ「大分『志手』散歩」でも幾度か書いています。その志手でもミカン園はどんどんなくなっています。
多くの場合は宅地に変わるのですが、そのまま荒れ地になったところもあります。
いったん農地でなくなると、それを農地に戻そうとしてもなかなか難しいでしょう。
◇ ◇ ◇ ◇
スーパーなどの店頭に野菜や果物が並んでいると気づきにくいことですが、農業の生産基盤が弱体化していき、安定供給が難しくなると需給のバランスが崩れやすくなります。
米が店頭から消えて価格が急騰したことがありました。値段が上がれば生産者はホクホクだろうかというと、そう単純ではありません。高騰の後に急落するような乱高下があれば安定した経営はできません。
需給が不安定になることは農産物を作る側にも買う側にもメリットよりもデメリットが大きいといえます。
農業新聞の見出しの「生産基盤弱体化が顕著」は、このブログ「大分『志手』散歩」の筆者にはとても強い語調に感じられ、少なからず衝撃を受けました。




0 件のコメント:
コメントを投稿