日照りと大雨 数字で見る8月
この暑さいつまで続くのか。いい加減嫌になってきます。
このブログ「大分『志手』散歩」の「今年の夏の暑さは? 最近10年のデータ比較」(2024年8月10日公開)で、今年の7月には最高気温が35℃以上の「猛暑日」が17日あった、と報告しました。
では、8月の「猛暑日」は何日あったのか。大分地方気象台のホームページで9月5日に公表された「8月の大分県気象月報」でチェックすることにしました。
気象月報のデータを見てみると、大分市の今年の8月は最近にはない特異なものであることが分かりました。
月報の最初のページにその月の気象概況の解説があります(上の資料)。降水量と日照時間の数字を最初に見た時は少し驚きました。
日照時間は277.8時間で平年の202.8時間に比べ75時間も長くなりました。それだけ晴れた日が多かったということです。
一方、降水量は362.5ミリで平年(165.7ミリ)の2倍以上になっています。それだけ雨の日が多かったのかと思ってしまいます。
これはちょっと考えれば分かります。今年の8月の特殊事情といったものがあります。
それが二つの台風です。雨をもたらしたのは台風9号と台風10号でした。
特に台風10号は大雨を降らせました。左の資料の降水量を見てください。8月29日は206.0ミリを記録しました。前後の28日には59.5ミリ、31日には41.0ミリ降って3日間で300ミリを超えました。
この二つの台風を除けば雨はほとんど降っていません。晴れた日ばかりと言えば正確ではないかもしれませんが、感覚的にはそんな感じです。
酷暑の夏でした。7月16日以降雨らしい雨もなく、街路の草木もカラカラに乾燥しているように見えました。日照りの8月でした。
それが「日照り」と同時に「大雨」の8月になりました。
大分市の8月の平年値は日照時間が202.8時間、降水量が165.7ミリです。平年値に近い数字を見てみると2022(令和4)年の降水量169.5ミリが該当するぐらいです。
そこで、平年値の上下各20%の範囲内に入る年を数えることにしました。日照時間なら約243時間から約162時間まで、降水量なら約198ミリから約132ミリまでです。
その範囲内にある数字にオレンジの下線を引きました。日照時間と降水量がともに平年値の上下20%の範囲内に収まったのは2022(令和4)年、2015(平成27)年、2011(平成23)年でした。あとは平年値とは大きく隔たっています。
特に降水量は2016(平成28)年の2.0ミリから2021(令和3)年の511.0ミリまで変動幅が極めて大きくなっています。
ですが、この15年のデータで日照時間が長い年は雨が少ない「高温少雨」の傾向は見て取れます。
上の表でいうと、2010(平成22)年、2013(平成25)年、2016(平成28)年、2018(平成30)年、2020(令和2)年がそうです。
いずれも日照時間は240時間超で、降水量は2013年の87.5ミリを除けば40ミリ以下。特に2016(平成28)年は日照時間289.1時間に対し、降水量はわずか2ミリでした。
これに対して今年の8月は日照時間(277.8時間)も降水量(362.5ミリ)も平年を大きく上回っています。15年間でみれば、今年の8月は特異な8月だったということができます。
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