チキリン、太鼓に子どもみこし
4年ぶり夏祭り準備 志手天神社
7月1日夕方の志手天神社。久しぶりに太鼓とチキリン(鉦)の音が聞こえてきました。子どもたちが集まって太鼓やチキリンをたたいています。この日、天神社の夏祭りに向けた練習が始まりした。
志手天神社の夏祭りは7月24日と決まっています。祭り当日は夕方から夜にかけて、子ども神輿(みこし)がチキリンと太鼓のお囃子(はやし)とともに町内を練り歩きます。
新型コロナウィルスの大流行があって、志手でもよそと同じように祭りなどの地域行事を取りやめてきました。
夏祭りは2019(令和元)年7月以来になります。
左の写真は4年前の夏祭り。お旅所で休憩中にチキリンをたたく子どもたちです。
コロナの流行も完全に収まったとは言えませんので、念のために今年は神輿が練り歩く時間と距離を従来のほぼ半分に短縮するそうです。
地域の行事はいったん途絶えると、復活させるのはなかなか難しいことです。季節の風物詩ともいえる行事がなくなるのは寂しいことなので、ともかくも夏祭りが再開することは嬉しい話です。
子どもたちの太鼓の練習を始める2日前の6月29日。薄っすらとほこりをかぶっていた太鼓とチキリンが引き出されて、小さな拝殿に据えられました。
太鼓は7台、チキリン(鉦)は5個。一緒にほこりをまとっていた扇風機も出され、それぞれきれいに拭かれて所定の場所へ。それが右の写真です。
写真で五つ並んだチキリン一番右のものが古く、明治時代かそれ以降か、随分と昔のものだといいます。
夏祭りの子ども神輿がいつごろから始まったのでしょう。はっきりしたことは分からないそうです。
【追記】
最後にチキリンについて。大分市役所のホームページに「
『チキリンばやし』の紹介」があります。そこから、チキリンについての解説を引用します。
チキリンとは、大分市内のお祭りに伝わる「鉦」(かね)を中心としたお囃子のことです。「鉦」(かね)は、真鍮製で丸くて平たい底がある形をしています。お祭りには太鼓と鉦が古くからよく使われていますが、大分の祭りには特に「鉦」が中心になり、太鼓がこれにそって響きます。
チキリンの音を出すのには、竹を削った柄に3~4センチ位の長さに切った鹿の角を直角に取り付けた、叩く道具「撞木」を使います。
撞木を縦にもち、立てて「コンコン」と鉦の底を叩き、次に寝かせて輪の内側を「チキリン、チキリン」と三回叩きます。早いリズムを体で調子を取って叩く「コンコン、チキリン、チキリン、チキリン」の鉦の音は、ずいぶん昔から大分の祭りばやしに伝わっているもので、全国的にも珍しいお囃子になります。
※正確に言えば、「コンコン」「チキリン」という鉦の音を中心としたお囃子を「チキリン」というのですが、志手ではこの鉦を「チキリン」と通称しています。