天眼鏡片手に字図作り
起点は天神平と天神社
今回は高齢者施設「天神ヴィラ」がある「天神平(でんじんだいら)」と、志手天神社がある「長水」を起点に、周辺の字図を作りました。
上の写真は、このブログ「大分『志手』散歩」の筆者が作った志手の字図(あざず)の試作品第1号です。
使った材料は二つです。一つは大分県立図書館にある「大分県内市町村地引絵図」です。畳一畳ほどの大きさといえば少し大げさでしょうか、それぐらいの大きさの地図(複製)が昔の町村ごとにあります。
上の写真は2枚の地図の一部をこのブログの筆者が図書館でコピーしたものです。上半分が大分郡三芳村、下半分が大分郡駄原村です。
一枚の地図が大きくて、全部複写しようとすると費用がかさむし、このブログの筆者にはうまくとれそうにありません。
何か良い方法はないかと考えて思い付いたのが大きな地図をカメラに収めること。
県立図書館の調査相談・郷土情報室で「カメラで地図を撮影していいか」と聞くと、駄原村の地図はデータベースに入っているので、その分ならコピーできるとの回答でした。
ということで出してもらったのが左の地図です。一方、三芳村の地図はデータベースに入っていないとのことでした。
三芳村の村図は明治21(1888)年刊行とされていますが、駄原村の村図は刊行年不詳とのことです。といっても三芳村の村図が作られた時期とさほど変わらないのではないかと思います。
三芳村の村図が作られた明治21(1888)年の翌年に「明治の大合併」といわれる市町村再編が行われました。
三芳村は荏隈村に編入され、駄原村は勢家町などとともに西大分町になりました。駄原村の村図は明治の大合併の前に作られたと考えられます。
ちなみに三芳村は志手村と椎迫村などが明治8(1875)年に合併してできた村です。
ここまで少々長くなりましたが、県立図書館にあった村図について説明してきました。村図には小字名が書かれているのですが、これが不鮮明で読み取りが難しいのです。
そこで、このブログの「小字あれこれ その① 天神平」で紹介した「小字(こあざ)リスト」の登場となります。
この小字リストが志手の字図を作るために使った二つ目の材料です。
天眼鏡を片手に地図と小字リストを見比べながら作った「字図」が、冒頭に紹介した手作りの地図です。
大ざっぱな地図ですが、次回はこの地図と現在の志手を突き合わせてみようと思います。